【実践編】内転筋肉ばなれのリハビリ|筋トレ・ストレッチ・復帰基準

この記事では、内転筋肉ばなれと診断された、または内転筋肉ばなれが疑われる選手・保護者・指導者の方向けに、具体的なリハビリ方法、ストレッチ、筋トレ、スポーツ復帰基準を解説します。

内ももや鼠径部が痛い、脚を開くと痛い、ダッシュ・切り返し・キックで痛みが出る場合は、股関節内転筋の肉ばなれが関係していることがあります。

内転筋肉ばなれでは、痛みが少し落ち着いた段階で走れてしまうことがあります。しかし、直線のジョギングができても、横方向への動き、急な方向転換、インサイドキックなどで痛みが再発することは少なくありません。

内転筋肉ばなれの症状、原因、検査、治療方針など、疾患の概要を知りたい方は、まず以下の記事をご確認ください。

 

股関節や鼠径部の痛み全体について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

 

内ももや鼠径部の痛みでは、内転筋肉ばなれ以外に、グロインペイン股関節唇損傷FAI腸腰筋肉ばなれなどが関係することもあります。痛む場所や動作がはっきりしない場合は、関連記事もあわせて確認してください。

この記事でわかること
  • 内転筋肉ばなれのリハビリの進め方
  • 痛みがある時に避けたい動き
  • 内転筋のストレッチ・筋トレを始める目安
  • ジョギング、ダッシュ、方向転換、キックの再開基準
  • スポーツ復帰と再発予防のポイント
重要なポイントを説明するあきとのイラスト

あきと
内転筋肉ばなれでは、直線のジョギングができても、横移動やキックでは痛みが残っていることがあります。走れたことだけでスポーツ復帰を判断しないようにしましょう。
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内転筋肉ばなれリハビリの基本方針

股関節内転筋は、太ももの内側にあり、脚を内側へ動かす働きを持つ筋肉群です。

スポーツでは脚を閉じる動作だけでなく、ダッシュ、減速、方向転換、キック、片脚で身体を支える場面などでも働きます。

そのため、内転筋肉ばなれのリハビリでは、内ももをストレッチするだけでは不十分です。

痛みのコントロール、股関節の可動域、内転筋の筋力、長く伸ばされた状態で力を出す能力、体幹・骨盤の安定性、方向転換やキックへの段階的な復帰をバランスよく整える必要があります。

急性の内転筋損傷では、日数だけではなく、痛み、圧痛、可動域、内転筋力、スポーツ動作などの基準を確認しながら進める方法が用いられています[1][2]。

リハビリの全体像
  1. 痛み・腫れを落ち着かせる
  2. 痛みを出さない範囲で股関節を動かす
  3. 内転筋に軽く力を入れる練習を始める
  4. 体幹・骨盤・股関節周囲の筋力を整える
  5. 内転筋の動的・遠心性トレーニングへ進む
  6. ジョギング、ダッシュ、横移動を段階的に再開する
  7. 方向転換、キック、競技練習へ戻す

炎症期・受傷初期

受傷直後や、歩行・脚を開く動作で痛みがある時期は、患部を強く伸ばしたり、強い力で内転筋を収縮させたりすることは避けます。

この時期は、痛みや腫れを落ち着かせ、正常に歩ける状態を目指します。患部に負担のかからない体幹や上半身のトレーニングを行いながら、体力低下を防ぎます。

回復期

歩行時の痛みや圧痛が軽くなってきたら、股関節の可動域を少しずつ広げ、内転筋の等尺性トレーニングから筋活動を再開します。

等尺性トレーニングとは、関節を大きく動かさずに筋肉へ力を入れる方法です。最初は弱い力から始め、痛みや翌日の反応を確認しながら強度を上げます。

競技復帰期

日常生活や軽い筋トレで痛みがなくなっても、内転筋がスポーツに必要な負荷へ対応できているとは限りません。

復帰期では、内転筋が伸ばされながら力を出すトレーニング、片脚支持、サイドランジ、横移動、減速、方向転換、キックなどへ段階的に進みます。

リハビリのポイントを説明するあきとのイラスト

あきと

内転筋肉ばなれのリハビリでは、「痛くなくなったら終わり」ではありません。最後は、内転筋が伸ばされた状態、速い動き、横方向の動きに対応できるところまで戻していきます。

内転筋肉ばなれで痛みがある時に避けたい動き

内転筋肉ばなれでは、脚が外側へ開かれる動き、脚を内側へ戻す動き、片脚で強く地面を蹴る動きで痛みが出やすくなります。

  • 痛みを我慢したランニング、ダッシュ、スプリント、急な減速や方向転換、サイドステップ、クロスステップ
  • 大きく脚を開く開脚ストレッチ、深いサイドランジ
  • 強いインサイドキック、ロングキック、シュート
  • 痛みを伴うコペンハーゲンアダクション
  • 練習後や翌日に痛みが増える量の運動
注意点を説明するあきとのイラスト

あきと

内ももが痛い時に「硬いから伸ばせば治る」と考え、強い開脚ストレッチを繰り返すのは注意です。肉ばなれの初期では、伸ばす刺激そのものが患部への負担になることがあります。

内転筋肉ばなれの痛み・腫れへの対応

内転筋肉ばなれの初期は、損傷部への負荷を減らし、痛みや腫れを悪化させないことが大切です。

完全に動かさない期間を必要以上に長くするのではなく、痛みの程度に合わせて日常生活やトレーニング内容を調整します。

アイシング

目的:受傷直後や運動後の痛み、熱感、不快感を一時的に落ち着かせることです。

鼠径部から内ももに熱感がある、ズキズキする、運動後に痛みが増えた場合は、状態に応じてアイシングを行います。

  1. 氷と少量の水を入れてアイスパックを作ります。
  2. 痛みのある内もも周辺に、タオル越しで当てます。
  3. 10〜20分を目安に冷やします。
  4. 皮膚の感覚が戻ってから(1時間目安)、必要に応じて再度行います。

股関節内転筋をアイシングしている様子

※鼠径部の深い場所へ強く押し込まず、痛みのある範囲をやさしく冷やしてください。

アイシングの注意点
  • 30分以上連続して冷やさない
  • 皮膚の感覚が鈍い場合は冷やしすぎに注意する
  • 寒冷アレルギーがある場合は行わない
  • アイシングで痛みをごまかして練習を続けない
  • 回復を早める方法として過度に期待しない

圧迫

目的:内ももの腫れや動作時の不快感を抑える補助として使用します。

コンプレッションショーツや弾性包帯が楽に感じる場合は、短時間から使用を検討できます。

ただし、圧迫は内転筋肉ばなれそのものを修復するものではありません。強く締めすぎると、しびれや皮膚の違和感が出ることがあります。

練習量の調整

目的:内転筋にかかる負荷を減らしながら、必要以上の体力低下を防ぐことです。

内転筋肉ばなれでは、運動中の痛みだけでなく、運動後や翌日に症状が増えていないかを確認します。

  • 運動中、運動後や翌日に痛みが増える場合は負荷を下げる(特に、ダッシュ、キック、方向転換動作)
  • 痛みのない範囲で上半身や体幹トレーニングを行う
  • 患部に負担が少ない有酸素運動で体力を維持する
負荷調整のポイントを説明するあきとのイラスト

あきと
運動中に痛くなくても、運動後・当日夜・翌日朝に痛みが増える場合は負荷が強すぎる可能性があります。直前に追加したメニューを一段階戻しましょう。

日常生活での注意点

内転筋肉ばなれでは、日常生活でも脚が急に外側へ開かれる動きや、大きく踏み出す動きで痛みが出ることがあります。

  • 大股で歩かない
  • 階段を急いで上り下りしない
  • 長時間座った後はゆっくり立ち上がる

内転筋肉ばなれの柔軟性改善・ストレッチ

内転筋肉ばなれでは、回復に合わせて股関節を外側へ開く可動域を戻す必要があります。

ただし、最初から大きく開脚するのではなく、痛みのない範囲を少しずつ広げることが大切です。

柔軟性改善の目的は、身体をできるだけ柔らかくすることではありません。走る、方向転換する、キックするといった競技動作に必要な可動域を、痛みなく使えるようにすることです。

ハムストリングスのほぐし

目的:太もも後面の緊張を整え、骨盤や股関節を動かしやすくすることです。

内転筋を直接ほぐすメニューではありませんが、太もも裏が強く緊張している場合には、股関節周囲を動かしやすくする補助として行います。

  1. イスに座り、太もも裏の下にボールを入れます。
  2. 骨盤を軽く前に倒します。
  3. 太もも裏へ軽く圧がかかる位置で10秒程度止めます。
  4. 場所を変えながら、合計3〜5分を目安に行います。
  5. しびれや内ももの痛みが出る場合は中止します。

内転筋肉ばなれのリハビリで行うハムストリングスのほぐし

注意点:強く押せばよいわけではありません。患部の内ももへ痛みが響く場合は、圧を弱めるか中止してください。

内転筋周囲の軽いセルフリリース

目的:回復期以降に、内もも周囲の緊張をやさしく整え、股関節を動かしやすくすることです。

肉ばなれ直後や、内出血・強い圧痛がある時期に、損傷部を直接強く押すことは避けましょう。

  1. うつ伏せまたは横向きになり、痛みのない姿勢をとります。
  2. 内ももの下へ柔らかいボールやフォームローラーを置きます。
  3. 痛みのない範囲で、軽く圧をかけます。患部周囲含め、全体的に行います。
  4. 10秒程度で場所を変えます。
  5. 合計5〜10分程度行います。

内転筋をローラーを使用してセルフマッサージしているイラストと、セルフマッサージの説明

注意点:鼠径部の奥には血管や神経があります。鼠径部へボールを強く押し込んだり、しびれが出るほど圧迫したりしないでください。

座位で行う軽い内転筋ストレッチ

目的:回復期以降に、股関節を外側へ開く可動域を少しずつ戻すことです。

歩行時の痛みや強い圧痛が落ち着き、軽く脚を開いても鋭い痛みが出ない段階から行います。

  1. 床に座り、両脚を無理のない範囲で開きます。
  2. 背中を丸めすぎず、骨盤を軽く前に倒します。
  3. 内ももに軽い伸び感が出る位置で止めます。
  4. 10〜20秒を目安にキープします。
  5. 3〜5セットを目安に行います。

座位での内転筋のストレッチを説明するイラスト。蝶のポーズ

注意点:痛みが出る角度まで開かないでください。反動をつけたり、誰かに背中を押してもらったりする必要はありません。

四つんばいで行う内転筋ストレッチ

目的:骨盤を安定させながら、内転筋へ加わる伸張負荷を調整することです。

  1. 四つんばいから、肘をついた姿勢になります。
  2. 両膝を横へ開きます。
  3. 背中をまっすぐに保ちながら、お尻をゆっくり後ろへ引きます。
  4. 内ももへ軽い伸び感が出る位置で止めます。
  5. 10〜20秒×3セットを目安に行います。

四つんばいで行う内転筋のストレッチと説明イラスト。フロッグストレッチ

注意点:鼠径部に鋭い痛みが出る場合は、脚を開く幅や後方への移動量を小さくしてください。

ストレッチの重要点を説明するあきとのイラスト

あきと
内転筋ストレッチは、「やるか、やらないか」ではなく、いつ、どの範囲で行うかが大切です。ストレッチ後や翌日に痛みが増える場合は、まだ刺激が強すぎます。

内転筋肉ばなれの可動域改善

内転筋肉ばなれでは、股関節を外へ開く動きが制限されやすくなります。

リハビリでは、強いストレッチを行う前に、自分の力で脚をゆっくり動かし、痛みなく使える可動域を取り戻していきます。

急性内転筋損傷のリハビリ研究でも、股関節外転可動域、圧痛、内転筋力などを繰り返し確認しながら進行しています[2]。

仰向けで行う股関節外転スライド

目的:内転筋を強く伸ばしすぎずに、股関節を外へ開く動きを取り戻すことです。

  1. 仰向けで寝て、両脚を伸ばします。
  2. 両脚をゆっくり外へ滑らせます。
  3. 痛みが出る手前で止めます。
  4. ゆっくり元の位置へ戻します。
  5. 10〜20回を目安に行います。

股関節外転スライドエクササイズの説明イラスト。内転筋のストレッチと軽度な収縮をともなるエクササイズです。

注意点:脚を戻す時にも内転筋が働きます。戻す時に痛む場合は、反対側の脚や手で補助してください。

ベントニー・フォールアウト

目的:骨盤を安定させながら、股関節を外へ開く動きを練習することです。

  1. 仰向けで寝て、両膝を曲げます。
  2. 足裏を床につけます。
  3. 患側の膝をゆっくり外側へ倒します。
  4. 骨盤が傾く手前で止めます。
  5. ゆっくり中央へ戻します。
  6. 10〜15回を目安に行います。

ベントニー・フォールアウトのエクササイズ説明イラスト。内転筋のストレッチと収縮を繰り返すエクササイズです。

注意点:膝を外へ倒す時だけでなく、中央へ戻す時にも痛みがないか確認してください。

骨盤の前後傾運動

目的:骨盤と腰椎の動きを整え、股関節周囲へ余計な負担が集中しにくい状態を作ることです。

  1. 四つんばいになり、肩の真下に手、股関節の真下に膝をつきます。
  2. 腰を軽く反るように骨盤を前傾させます。
  3. 背中を丸めるように骨盤を後傾させます。
  4. 呼吸を止めず、ゆっくり繰り返します。
  5. 10〜20回を目安に行います。

内転筋肉ばなれのリハビリで行う骨盤前後傾運動

注意点:脚を大きく開く必要はありません。内ももや鼠径部の痛みが増える場合は中止してください。

内転筋肉ばなれの筋トレ

内転筋肉ばなれの筋トレは、関節を動かさない軽い等尺性トレーニングから始め、動きを伴うトレーニング、長く伸ばされた状態でのトレーニングへ進めます。

最初から強いボール挟みやコペンハーゲンアダクションを行う必要はありません。

内転筋損傷や長引く内転筋関連の鼠径部痛では、状態に合わせた内転筋への運動負荷が、リハビリの中心になると考えられています[3]。

初期:膝の間で行う内転筋の等尺性トレーニング

目的:股関節を大きく動かさずに内転筋へ力を入れ、筋活動を再開することです。

  1. 仰向けで寝て、両膝を90度程度曲げます。
  2. 膝の間に柔らかいボールまたは丸めたタオルを挟みます。
  3. 最初は20〜30%程度の力で、ゆっくり挟みます。
  4. 5秒キープして力を抜きます。
  5. 10回×2〜3セットを目安に行います。

内転筋の等尺性収縮エクササイズ、ボール潰しの説明イラスト。

注意点:最大の力で潰そうとする必要はありません。鼠径部に鋭い痛みが出る場合は、力を弱めるか中止しましょう。

初期〜中期:足首の間で行う内転筋の等尺性トレーニング

目的:膝で挟む方法より長いレバーで内転筋へ負荷をかけ、次の段階へ進む準備をすることです。

  1. 仰向けで寝て、両脚を伸ばします。
  2. 足首の間に柔らかいボールまたはクッションを挟みます。
  3. 両脚でゆっくり挟みます。
  4. 3〜5秒キープします。
  5. 10回×2〜3セットを目安に行います。

内転筋の等尺性収縮エクササイズ、足首間にボールを挟んだボール潰しエクササイズ

注意点:膝の間で行う方法より負荷が高くなります。膝で挟むトレーニングを痛みなく行えることを確認してから進めましょう。

中期:横向き股関節内転運動

目的:股関節を動かしながら、内転筋の筋力を回復させることです。

  1. 患側を下にして横向きで寝ます。
  2. 上側の脚を曲げて、下側の脚の前へ置きます。
  3. 下側の脚をまっすぐ伸ばして、ゆっくり持ち上げます。
  4. 2〜3秒止めて、ゆっくり下ろします。
  5. 10回×2〜3セットを目安に行います。

側臥位ヒップアダクションの説明イラスト、内転筋のエクササイズです。

注意点:勢いをつけず、脚を下ろす局面もゆっくり行います。鼠径部が痛む場合は、持ち上げる高さや回数を減らしてください。

中期:立位チューブアダクション

目的:立った状態で骨盤を安定させながら、脚を内側へ戻す力を高めることです。

  1. 患側の足首へチューブをつけます。
  2. チューブが患側の外側から引かれる位置に立ちます。
  3. (バランスが保てない場合は、壁や手すりへ軽く手を添えます)
  4. 骨盤を傾けず、患側の脚を身体の中央へ動かします。
  5. ゆっくり外側へ戻します。
  6. 10回×2〜3セットを目安に行います。

立位でのヒップアダクションチューブエクササイズの説明イラスト。内転筋のエクササイズです。

注意点:上半身を傾けて脚を動かさないようにしましょう。戻す局面で痛む場合は、チューブの強さを下げてください。

中期〜後期:スライドアダクション

目的:体重を支えながら脚を外へ開き、内転筋が伸ばされながら負荷を受ける練習をすることです。

  1. 滑りやすい床で、患側の足の下にタオルまたはスライダーを置きます。
  2. 反対側の脚へ体重を乗せます。
  3. 患側の脚をゆっくり外へ滑らせます。
  4. 痛みのない範囲で止めます。
  5. 内転筋を使って、ゆっくり中央へ戻します。
  6. 5〜10回×2〜3セットを目安に行います。

スライドアダクションの説明イラスト。内転筋の収縮を伴った荷重トレーニングです。

注意点:脚を外へ広げすぎないでください。滑りすぎると急に内転筋が伸ばされるため、壁や手すりにつかまって行いましょう。

復帰期:コペンハーゲンアダクション・ショートレバー

目的:体幹を安定させながら内転筋へ高い負荷をかけ、横移動や方向転換へ備えることです。

コペンハーゲンアダクションは、内転筋力の向上や鼠径部障害の予防に用いられているトレーニングです[4][5]。

ただし、負荷が高いため、受傷初期から行う種目ではありません。

  1. 横向きになり、上側の膝をベンチやイスへ乗せます。
  2. 肘を床につき、身体を支えます。
  3. 下側の脚を持ち上げます。
  4. 肩から膝までが一直線になるようにします。
  5. 3〜5秒キープして、ゆっくり下ろします。
  6. 5〜10回×2〜3セットを目安に行います。

コペンハーゲンアダクション-ショートレバーの説明イラスト。内転筋の強度が高めのエクササイズです。

注意点:内転筋に強い痛みが出る場合は行いません。最初は保持時間と回数を少なくし、翌日の筋肉痛や患部痛を確認してください。

復帰期:コペンハーゲンアダクション・ロングレバー

目的:長いレバーで内転筋へ高い負荷をかけ、高速走行、方向転換、キックに必要な筋力を高めることです。

ショートレバーを安定して行え、翌日に痛みが増えない選手が対象です。

  1. 横向きになり、上側の足首または下腿をベンチへ乗せます。
  2. 肘を床につき、身体を持ち上げます。
  3. 下側の脚を上側の脚へ近づけます。
  4. 肩から足までを一直線に保ちます。
  5. 2〜3秒キープして、ゆっくり下ろします。
  6. 3〜8回程度から始めます。

コペンハーゲンアダクション-ロングレバーの説明イラストです。内転筋の強度が高いエクササイズです。

注意点:ロングレバーは非常に負荷が高い種目です。回数を急に増やさず、競技練習全体の負荷も考慮してください。

コペンハーゲンアダクションの重要点を説明するあきとのイラスト

あきと
コペンハーゲンアダクションは有効なトレーニングですが、万能ではありません。まずは軽い等尺性収縮、横向き内転運動、立位トレーニングを行い、段階を踏んで導入しましょう。

内転筋肉ばなれの患部外トレーニング

内転筋肉ばなれでは、患部への負荷を抑える時期でも、体幹、殿筋、股関節周囲の筋力低下をできるだけ防ぐことが大切です。

内転筋だけを鍛えても、片脚で骨盤を支えられなかったり、方向転換時に体幹が大きく傾いたりすると、内転筋へ負担が集中することがあります。

ドローイン

目的:腹圧を高める感覚を身につけ、骨盤と体幹を安定させることです。

  1. 仰向けで寝て、両膝を90度程度曲げます。
  2. ゆっくり息を吐きます。
  3. 息を吐きながら、お腹を軽くへこませます。
  4. 呼吸を止めずに数秒キープします。
  5. ゆっくり20回を目安に行います。

内転筋肉ばなれの患部外トレーニングで行うドローイン

注意点:呼吸を止めたり、お腹を強く固めすぎたりしないようにしましょう。

デッドバグ

目的:手足を動かしても骨盤と体幹を安定させる能力を高めることです。

  1. 仰向けで寝て、股関節と膝を90度に曲げます。
  2. 両手を天井方向へ上げます。
  3. 呼吸を続けながら、お腹を軽くへこませます。
  4. 左手と右脚をゆっくり伸ばします。
  5. 元へ戻し、反対側も行います。
  6. 左右10回を目安に行います。

内転筋肉ばなれの体幹リハビリで行うデッドバグ

注意点:脚を伸ばす時に内ももや鼠径部が痛む場合は、脚を伸ばす範囲を小さくしてください。

ヒップリフト

目的:殿筋とハムストリングスを鍛え、股関節を後ろへ伸ばす力と骨盤の安定性を高めることです。

  1. 仰向けで寝て、両膝を90度程度曲げます。
  2. 足裏全体で床を押します。
  3. お腹を軽くへこませます。
  4. お尻をゆっくり持ち上げます。
  5. 肩から膝までが一直線になる高さで3秒止めます。
  6. 10回×2〜3セットを目安に行います。

内転筋肉ばなれのリハビリで行うヒップリフト

注意点:膝が外側へ開きすぎないようにします。内ももに痛みが出る場合は、お尻を上げる高さを低くしてください。

クラムシェル

目的:殿筋や股関節外旋筋を鍛え、片脚支持や方向転換時の股関節を安定させることです。

  1. 横向きで寝て、両膝を90度程度曲げます。
  2. 骨盤が後ろへ倒れないように固定します。
  3. 両足をつけたまま、上側の膝をゆっくり開きます。
  4. 3秒キープして戻します。
  5. 10回×2〜3セットを目安に行います。

内転筋肉ばなれの股関節トレーニングで行うクラムシェル

注意点:膝を開くことだけを意識すると、骨盤ごと後ろへ倒れます。おへそが上を向かない範囲で行いましょう。

ヒップアブダクション

目的:中殿筋を鍛え、片脚立ちや走行時の骨盤の安定性を高めることです。

  1. 横向きでまっすぐ寝ます。
  2. 骨盤と背骨を安定させます。
  3. 上側の脚を真横へゆっくり持ち上げます。
  4. 3秒キープして戻します。
  5. 10回×2〜3セットを目安に行います。

内転筋肉ばなれのリハビリで行うヒップアブダクション

注意点:身体が後ろへ倒れたり、脚が前方へ上がったりしないようにしましょう。

スクワット

目的:両脚で体重を支えながら、股関節・膝関節・足関節を連動させることです。

  1. 両足を肩幅程度に開いて立ちます。
  2. つま先と膝を同じ方向へ向けます。
  3. 股関節を曲げながら重心を下げます。
  4. 痛みのない深さで止めます。
  5. みぞおち、膝、母趾球が一直線になるようにします。
  6. 10回×2〜3セットを目安に行います。

スクワットの説明イラスト。みぞおち(重心)、膝、母趾球が一直線になるように行います。

注意点:足幅を広げすぎると内転筋へ負荷がかかることがあります。最初は狭めの足幅、浅いスクワットから始めてください。

サイドランジ

目的:内転筋が伸ばされながら力を発揮する能力を高め、横移動や方向転換へ備えることです。

  1. 両足を肩幅程度に開いて立ちます。
  2. 片脚を横へ一歩踏み出します。
  3. 踏み出した側の股関節と膝を軽く曲げます。
  4. 床を押して中央へ戻ります。
  5. 左右5〜10回×2〜3セットを目安に行います。

サイドランジの説明イラスト。横方法への荷重トレーニングです。

注意点:最初は踏み出す幅と深さを小さくします。内ももに鋭い痛みが出る場合は、まだ早い可能性があります。

患部に負担をかけにくい有酸素運動

痛みが落ち着いてきたら、体力低下を防ぐために有酸素運動を取り入れます。

  • 上半身エルゴメーター
  • 痛みのない範囲でのウォーキング
  • 低負荷の自転車
  • 水中ウォーキング
  • プルブイを使用した上半身中心の水泳

自転車でも内ももや鼠径部に痛みが出る場合は、負荷を下げる、時間を短くする、サドル位置を調整するなどの対応が必要です。

内転筋肉ばなれで走っていい目安

内転筋肉ばなれで走ってよいかは、受傷からの日数だけでは判断できません。

歩行、内転筋力、股関節可動域、片脚動作などを確認したうえで、短時間のジョギングから再開します。

ジョギング再開の目安

  • 歩行や速歩で痛みがなく、跛行せずに歩ける
  • 股関節を軽く外へ開いても痛みがなく、内転筋へ軽く力を入れても痛みがない
  • スクワット、片脚立ち、軽い足踏みやジャンプなどの基本動作を痛みなく行える
  • ジョギングを行っても痛みやフォームの崩れがない
  • 運動後や翌日に内ももや鼠径部の痛みが増えない

ランニングの進め方

ランニング復帰の流れ
  1. 痛みのないウォーキング
  2. 速歩
  3. 1分ジョギング+1分歩行
  4. 連続した軽いジョギング
  5. 60〜70%程度の直線走
  6. 70〜80%程度の加速走
  7. 高速走と減速
  8. 横移動、方向転換

各段階を1回できただけで次へ進むのではなく、運動後と翌日の反応を確認してください。

走るほど痛みが増える、フォームが崩れる、患側をかばう、翌日に圧痛が強くなる場合は、負荷を一段階戻します。

ランニング復帰の重要点を説明するあきとのイラスト

あきと
ジョギングと方向転換では、内転筋にかかる負荷が異なります。直線を問題なく走れても、横移動・減速・切り返しは別の段階として確認しましょう。

内転筋肉ばなれの方向転換・キック復帰

サッカー、ラグビー、アイスホッケーなどでは、直線走だけでなく、横方向への動きやキック動作への復帰が必要です。

内転筋はキックする脚だけでなく、反対側の支持脚で骨盤を安定させる時にも働きます。そのため、患側がキック脚の場合と支持脚の場合の両方を確認します。

横方向動作の進め方

  1. ゆっくりしたサイドステップ
  2. 歩幅を広げたサイドステップ
  3. ラテラルシャッフル
  4. 決められた方向への切り返し
  5. 合図に反応する方向転換
  6. ボールを使用した方向転換
  7. 対人・接触を伴う競技動作

最初は速度を落とし、方向転換角度を小さくします。痛みがなければ、速度、角度、回数を一つずつ増やします。

キック動作の進め方

  1. ボールを使わない軽い脚振り
  2. 近距離の弱いインサイドパス
  3. 中距離のインサイドパス
  4. 軽いインステップキック
  5. ロングキック
  6. シュート
  7. 走りながらのキック
  8. 疲労下・対人状況でのキック

インサイドキックでは、股関節を外へ開きながら内転筋を使います。ボールなしの脚振りができても、ボールへ力を伝えると痛みが出ることがあります。

内転筋肉ばなれのスポーツ復帰基準

内転筋肉ばなれのスポーツ復帰は、受傷から何週間たったかだけではなく、痛み、可動域、筋力、動作、競技特異的動作、翌日の反応を総合して判断します。

基準ベースのリハビリを行った研究では、MRI grade 0〜2の選手は約2週間で臨床的に痛みがない状態となり、約3週間でフルチーム練習へ復帰したと報告されています。一方、grade 3では復帰まで3か月程度を要した例がありました[1]。

ただし、この期間はすべての選手に当てはまるものではありません。損傷部位、損傷範囲、腱の損傷、競技レベル、再発歴によって復帰期間は大きく変わります。

日常生活復帰の目安

  • 歩行で痛みがない
  • 階段昇降で痛みが増えない
  • 車の乗り降りで強い痛みがない
  • 寝返りや立ち上がりで痛みがない
  • 脚が急に外へ開かれなければ日常生活を問題なく行える
  • 翌日に痛みが増えない

痛み・腫れ・熱感

  • 安静時痛がない
  • 強い圧痛がない
  • 腫れや熱感が残っていない
  • 内転筋へ強めに力を入れても鋭い痛みがない
  • 股関節を外へ開いても鋭い痛みがない

可動域

  • 股関節外転で大きな左右差がない
  • 股関節伸展・回旋で痛みがない
  • 競技に必要な開脚幅を確保できる
  • 反動を使わず、滑らかに動かせる

筋力

  • 膝の間で強くボールを挟んでも痛みがない
  • 足首の間で行う内転筋トレーニングで痛みがない
  • 横向き内転運動を左右差少なく行える
  • スライドアダクションを安定して行える
  • ショートレバーのコペンハーゲンアダクションを行える
  • 必要に応じて内転筋力を専門家が測定し、左右差が小さい

基本動作

  • スクワットで痛みがない
  • 片脚スクワットを安定して行える
  • サイドランジで痛みがない
  • 片脚ジャンプと着地を安定して行える
  • 横方向へのジャンプで痛みや不安感がない
  • 加速と減速をスムーズに行える

競技特異的動作

  • 高強度の直線走で痛みがない
  • サイドステップ、切り返しで痛みがない
  • 予定された方向転換と反応を伴う方向転換ができる
  • インサイドパス、ロングキック、シュートで痛みがない
  • 接触や対人動作後に痛みが増えない
  • フル練習後や翌日に痛みが戻らない
  • 再受傷への不安感が強すぎない
スポーツ復帰について説明するあきとのイラスト

あきと

現場では、個別トレーニングから始め、非接触練習、部分的なチーム練習、フル練習、試合という順番で戻します。フル練習を問題なく終え、翌日も症状が戻らないことは重要な確認ポイントです。

内転筋肉ばなれの再発予防

内転筋肉ばなれは、痛みが引いた後に急にダッシュ、方向転換、キックを増やすと再発することがあります。

再発予防では、内転筋の筋力だけでなく、練習量、キック数、高速走行、体幹、殿筋、動作の質を総合的に見直します。

  • オフ明けや復帰直後は、ダッシュ・方向転換・キックの量を段階的に増やす

  • 内転筋の等尺性・動的・遠心性トレーニングを継続し、コペンハーゲンアダクションの負荷を個別に調整する

  • 体幹と殿筋を鍛え、キック脚だけでなく支持脚の安定性も高める

  • 股関節を外側へ開く可動域を定期的に確認する

  • 練習後と翌日の内ももの痛みや張りを確認し、記録する

男子サッカー選手を対象とした研究では、コペンハーゲンアダクションを中心とした内転筋強化プログラムにより、シーズン中の鼠径部の問題が減少したと報告されています[5]。

ただし、予防トレーニングも多く行えばよいわけではありません。試合や練習の負荷を考慮し、筋肉痛や張りが強く残らない量へ調整してください。

医療機関に相談した方がよい症状

内ももや鼠径部の痛みがすべて軽い肉ばなれとは限りません。以下の症状がある場合は、自己判断で運動やセルフリハビリを続けず、医療機関へ相談してください。

  • 受傷時に「ブチッ」「バチッ」という感覚があり、外傷後の痛みや腫れが強い
  • 鼠径部や内ももに強い腫れ・広範囲の内出血・熱感、触って分かる陥凹や変形がある
  • 歩行が困難、脚に力が入らない、しびれや感覚低下がある
  • 股関節が引っかかる(ロッキング)、夜間痛・安静時痛、発熱や全身のだるさを伴う
  • 数週間たっても改善しない、リハビリで悪化する、復帰するたびに同じ場所を痛める
受診の目安を説明するあきとのイラスト

あきと

成長期の選手では、キックや開脚をきっかけとした鼠径部痛が、骨盤の裂離骨折などによることもあります。強い痛み、歩行困難、広い内出血がある場合は早めに受診しましょう。

また、内転筋付近の痛みには、内転筋関連鼠径部痛、腸腰筋関連の痛み、鼠径管周囲の痛み、恥骨周囲の痛み、股関節内の障害などが含まれることがあります[6]。

長引く痛みや、痛む場所がはっきりしない場合は、内転筋肉ばなれと自己判断せず、専門家による評価を受けることをおすすめします。

FAQ

内転筋肉ばなれで走ってもいいですか?

歩行や速歩で痛みがなく、軽い内転筋トレーニング、スクワット、片脚立ちなどを問題なく行える場合は、短時間のジョギングから再開を検討できます。

走るほど痛みが増える場合、フォームが崩れる場合、運動後や翌日に痛みが強くなる場合は、まだ負荷が高い可能性があります。

内転筋肉ばなれのストレッチはいつから始められますか?

受傷直後や、歩行・圧迫で強い痛みがある時期に、大きな開脚ストレッチを行うのは避けましょう。

歩行時痛や強い圧痛が落ち着き、脚を軽く開いても鋭い痛みが出ない段階から、小さい可動域で始めます。ストレッチ後や翌日に痛みが増える場合は、範囲や保持時間を減らしてください。

内転筋肉ばなれの筋トレはいつから始めていいですか?

軽い筋トレは、強い痛みや腫れが落ち着き、弱い力で膝の間のボールやタオルを挟んでも痛みが悪化しない段階から検討できます。

最初は20〜30%程度の力による等尺性トレーニングから始め、横向き内転運動、立位チューブ、スライド運動、コペンハーゲンアダクションへ段階的に進めます。

コペンハーゲンアダクションはいつから行えますか?

コペンハーゲンアダクションは負荷が高いため、受傷初期には適していません。

通常は、強い圧痛がなく、内転筋の等尺性収縮、横向き内転運動、スクワット、サイドランジなどを痛みなく行える段階から、ショートレバーで始めます。

痛みが少し残っていても運動していいですか?

運動内容によって判断が異なります。患部に負担をかけにくい上半身や体幹トレーニングは行えることがありますが、痛みを伴うダッシュ、方向転換、キックを続けることはおすすめできません。

鋭い痛み、運動するほど増える痛み、フォームを変えないと続けられない痛みがある場合は中止しましょう。

内転筋肉ばなれはどれくらいで治りますか?

軽症では数週間で競技復帰を目指せる場合がありますが、完全断裂や腱付着部の損傷では、より長い期間を必要とすることがあります。

復帰時期は、日数だけでなく、痛み、圧痛、可動域、筋力、方向転換、キック、フル練習後の反応などを確認して判断します。

テーピングやコンプレッションタイツは必要ですか?

テーピングやコンプレッションウェアは、動作時の安心感や不快感の軽減につながることがあります。

ただし、内転筋肉ばなれそのものを治すものではありません。痛みをごまかしてプレーを続ける目的ではなく、リハビリと負荷管理を行ったうえで補助的に使用しましょう。

まとめ

今回は、内転筋肉ばなれの具体的なリハビリ方法、ストレッチ、筋トレ、スポーツ復帰基準について解説しました。

内転筋肉ばなれでは、受傷直後から強い開脚ストレッチやボール挟みを行うのではなく、まず痛み・腫れを落ち着かせることが大切です。

その後、股関節の可動域を少しずつ戻し、軽い等尺性トレーニングから動的・遠心性トレーニングへ進めます。

スポーツ復帰では、直線を走れるかだけでなく、高速走行、減速、横移動、方向転換、キック、フル練習後と翌日の反応まで確認しましょう。

強い腫れ、内出血、歩行困難、しびれ、脱力、ロッキング、夜間痛、症状の悪化がある場合は、自己判断でリハビリを進めず、医療機関へ相談してください。

記事のまとめを説明するあきとのイラスト

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参考文献

[1]Serner A et al. Return to Sport After Criteria-Based Rehabilitation of Acute Adductor Injuries in Male Athletes: A Prospective Cohort Study. Orthop J Sports Med. 2020;8(1):2325967119897247. PubMed ID: 32064292

[2]Serner A et al. Progression of Strength, Flexibility, and Palpation Pain During Rehabilitation of Athletes With Acute Adductor Injuries: A Prospective Cohort Study. J Orthop Sports Phys Ther. 2021;51(3):126-134. PubMed ID: 33115342

[3]Thorborg K et al. Current Clinical Concepts: Exercise and Load Management of Adductor Strains, Adductor Ruptures, and Long-Standing Adductor-Related Groin Pain in Athletes. J Athl Train. 2023;58(5):443-460. PubMed ID: 35834724

[4]Schaber M et al. The Neuromuscular Effects of the Copenhagen Adductor Exercise: A Systematic Review. Int J Sports Phys Ther. 2021;16(5):1210-1221. PubMed ID: 34631242

[5]Harøy J et al. The Adductor Strengthening Programme Prevents Groin Problems Among Male Football Players: A Cluster-Randomised Controlled Trial. Br J Sports Med. 2019;53(3):150-157. PubMed ID: 29891614

[6]Weir A et al. Doha Agreement Meeting on Terminology and Definitions in Groin Pain in Athletes. Br J Sports Med. 2015;49(12):768-774. PubMed ID: 26031643

[7]Farrell SG et al. Acute Adductor Muscle Injury: A Systematic Review on Diagnostic Imaging, Treatment, and Prevention. Am J Sports Med. 2023;51(13):3591-3603. PubMed ID: 36661128

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