足の指の付け根が痛い|モートン病の症状・治療・リハビリ
モートン病は足趾の付け根に痛みやしびれを生じる疾患で、特に第3趾と第4趾の間に症状が出やすいとされています。

今回はモートン病(Morton病/Morton neuroma)について書いていきます。

「足の指の付け根が痛い」「足の裏がピリピリしびれる」「靴を履くと前足部が痛い」という症状がある場合、モートン病が関係している可能性があります。

モートン病は、足趾の付け根付近を通る神経が繰り返し圧迫・刺激されることで、前足部の痛みやしびれを起こす状態です。

特に、歩く・走る・ジャンプする・切り返すなどの動作で痛みが出る場合は、足の使い方や靴、アーチ機能も含めて確認することが大切です。

今回は、モートン病の原因・症状・検査・治療・リハビリ・スポーツ復帰の考え方について、できるだけわかりやすく解説していきます!

この記事でわかること
  • モートン病とはどのような状態か
  • 足の指の付け根の痛み・しびれが起こる理由
  • モートン病と似た症状を起こす疾患
  • 病院で行う検査と治療方針
  • リハビリとスポーツ復帰の考え方

足全体の痛みについて知りたい方は、まずはこちらの記事も参考にしてください。

足の甲や足趾の付け根周囲の痛みでは、第2〜4中足骨疲労骨折フライバーグ病母趾種子骨障害なども似た症状を起こすことがあります。

あきと
モートン病は「足の裏のしびれ」だけでなく、「足趾の付け根の痛み」「靴を履くと悪化する痛み」として感じることも多いです!
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モートン病とは?

モートン病とは、足趾へ向かう神経が中足骨の間で圧迫・刺激され、前足部の痛みやしびれを起こす状態です。

医学的には「Morton neuroma」と呼ばれますが、いわゆる腫瘍というよりも、神経の周囲に線維化や肥厚が起こった状態として説明されます[1]。

多くは第3趾と第4趾の間に起こるとされ、足の指の付け根や足の裏に痛み・しびれ・違和感が出ます[1]。

モートン病で痛みやしびれが出やすい部位(第3趾と第4趾の間)
図1:モートン病で痛みやしびれが出やすい部位。第3趾と第4趾の間を中心に、足趾の付け根から足先へ症状が広がることがあります。

 

あきと
「神経腫」という名前がつきますが、一般的な腫瘍とは少しイメージが違います。足の神経が繰り返し圧迫されて、痛みやしびれを出している状態と考えるとわかりやすいです。

モートン病の原因:なぜ足の指の付け根が痛くなる?

モートン病は、足趾へ向かう神経が中足骨の間で圧迫されることで起こると考えられています。

特に、前足部に体重がかかる動作や、足幅を横から圧迫する靴では、神経へのストレスが増えやすくなります。

モートン病に関係しやすい要因
  • 幅の狭い靴
  • 前足部が圧迫されるシューズ
  • ハイヒールやつま先荷重の多い靴
  • ランニングやジャンプの繰り返し
  • 切り返しや踏み込み動作
  • 横アーチの低下
  • 足部・足首の安定性低下

また、足の横アーチが低下すると、中足骨の間が広がったり、前足部への荷重が不安定になったりして、神経への刺激が増える可能性があります(図2)。

そのため、モートン病では痛みのある場所だけでなく、靴・インソール・足部アーチ・歩き方・走り方まで含めて考えることが重要です。

 

横アーチの低下によって神経が圧迫され、モートン病が発生する仕組み
図2:横アーチが低下すると中足骨の間隔が広がり、2~4中足骨と地面との接触が増える可能性があります。結果的に神経への負担も増え、これがモートン病の原因のひとつと考えられています。

 

あきと
モートン病では、痛い場所をマッサージするだけでは不十分なことがあります。神経を圧迫している原因を減らすことが大切です!

モートン病を起こしやすいシーン

モートン病は、前足部に繰り返し負担がかかる場面で症状が出やすくなります。

スポーツで起こりやすいシーン

  • ランニングで前足部に痛みが出る
  • サッカーのキックや踏み込みで痛い
  • バスケットボールやテニスの切り返しで痛い
  • ジャンプ着地で足趾の付け根が痛い
  • バレエやダンスでつま先荷重が多い

日常生活で起こりやすいシーン

  • 幅の狭い靴を履くと痛い
  • 長く歩くと足の裏がしびれる
  • 靴を脱ぐと症状が楽になる
  • 前足部に小石を踏んでいるような違和感がある
  • ハイヒールや硬い靴で症状が悪化する

あきと
スポーツ選手では「競技中だけ痛い」こともあります。普段の歩行で痛くないから大丈夫と判断せず、競技動作で症状が出るかも確認しましょう。

モートン病の症状

モートン病では、足趾の付け根から足先にかけて、痛みやしびれが出ることが多いです。

モートン病でよくある症状
  • 足の指の付け根が痛い
  • 足の裏がピリピリする
  • 足趾にしびれが出る
  • 歩くと前足部が痛い
  • 走ると足の裏が痛い
  • 靴を履くと痛みが強くなる
  • 靴を脱ぐと楽になる
  • 小石を踏んでいるような違和感がある

症状は第3趾と第4趾の間に多いとされていますが、第2趾と第3趾の間などに起こることもあります。

また、モートン病に似た症状は、中足骨疲労骨折フライバーグ病母趾種子骨障害足底腱膜炎などでも起こることがあります。

あきと
しびれが続く場合や、歩くだけでも痛い場合は自己判断で運動を続けないようにしましょう。神経症状や疲労骨折が隠れている可能性もあります。

モートン病のセルフチェック

ここで紹介するセルフチェックは、あくまで症状を整理するためのものです。セルフチェックだけでモートン病と診断することはできません。

チェック1:痛み・しびれの場所

  • 足趾の付け根が痛い
  • 第3趾と第4趾の間に違和感がある
  • 足趾にピリピリしたしびれが出る
  • 足の裏に小石を踏んでいるような感覚がある

チェック2:靴との関係

  • 幅の狭い靴で痛みが強くなる
  • 靴を脱ぐと楽になる
  • ハイヒールや硬い靴で悪化する
  • インソールや靴を変えると症状が変わる

チェック3:運動との関係

  • 走ると痛い
  • ジャンプや切り返しで痛い
  • つま先で踏み込むと痛い
  • 練習後や翌日に症状が強くなる
受診をおすすめする症状
・足趾のしびれが続く
・歩くだけで痛い
・強い腫れがある
・押した痛みが日に日に強くなる
・夜間痛や安静時痛がある
・2週間以上症状が改善しない

あきと
ポイントは「どこが痛いか」だけでなく、「靴で悪化するか」「運動後に悪化するか」「しびれがあるか」を確認することです!

病院で行うモートン病の検査

モートン病が疑われる場合、病院では問診、触診、徒手検査、画像検査などを組み合わせて確認します。

問診・触診

痛みやしびれの場所、靴との関係、運動時の症状、いつから症状があるかなどを確認します。

また、中足骨の間を押したときに痛みやしびれが出るかを確認します。

Mulder徴候

前足部を横から圧迫しながら、神経が刺激されるかを確認する検査です。

クリック感や痛み、しびれが出ることがあります。ただし、身体所見だけで確定診断することは難しく、症状や画像検査と合わせて判断されます[3]。

エコー検査・MRI検査

モートン病では、エコー検査やMRI検査で神経周囲の肥厚や病変を確認することがあります。

エコーとMRIの診断精度を比較したシステマティックレビュー・メタ解析では、どちらも診断に用いられる検査として報告されています[2]。

エコーは動的に観察しやすく、MRIは周囲組織や他の疾患の確認にも役立つことがあります。

鑑別のための検査

モートン病に似た症状を起こす疾患を確認するために、レントゲン検査、MRI検査、エコー検査などを行うことがあります。

あきと
モートン病は「症状」「診察」「画像検査」を合わせて判断することが多いです。画像だけ、セルフチェックだけで判断しないことが大切です。

モートン病の治療方針

モートン病では、まず保存療法から行われることが多いです。

保存療法で改善しない場合や、症状が強く日常生活・スポーツに大きな支障がある場合には、注射療法や手術療法が検討されることがあります[4][5]。

保存療法

保存療法では、神経への圧迫や刺激を減らすことを目的に、以下のような対応を行います。

  • 運動量の調整
  • 幅の広い靴への変更
  • 前足部を圧迫しにくいシューズ選び
  • インソールの使用
  • 横アーチサポート
  • 足部・足首のリハビリ
  • 体幹・股関節の安定性改善

注射療法

痛みやしびれが強い場合、ステロイド注射などが検討されることがあります。

モートン病に対する非手術療法のシステマティックレビューでは、ステロイド注射、アルコール注射、体外衝撃波、ラジオ波治療、装具療法など複数の治療が検討されています[4]。

ただし、効果や適応は症状や病態によって異なるため、担当医と相談しながら判断する必要があります。

手術療法

保存療法や注射療法で改善しない場合、手術療法が検討されることがあります。

治療方法をまとめたシステマティックレビューでは、保存療法・注射療法・手術療法を含めたさまざまな治療成績が報告されていますが、治療選択には症状の強さ、期間、病変の状態、生活・競技レベルを考慮する必要があります[5]。

あきと
モートン病の治療では「神経の圧迫を減らす」ことが基本です。リハビリだけでなく、靴やインソールの見直しもかなり重要です!

モートン病のリハビリテーション

モートン病のリハビリでは、痛みやしびれを悪化させないようにしながら、神経への圧迫を減らす身体づくりを行います。

リハビリのポイントは、「前足部への圧迫を減らす」、「横アーチ・足部アーチの改善」、「足首・股関節・体幹の安定性改善」です。

リハビリを進めるためのチェックポイント!
・リハビリ中に痛みやしびれが強くならない
・リハビリ後に症状が悪化しない
・翌日の朝に痛みやしびれが増えていない
・歩行時の痛みが悪化していない

前期:痛み・しびれを落ち着かせる時期

目的:神経への圧迫を減らし、痛みやしびれを悪化させないことです。

実施内容

  • 痛みの出る運動を一時的に減らす
  • 幅の狭い靴を避ける
  • 前足部を圧迫しにくい靴を選ぶ
  • 必要に応じてインソールや横アーチパッドを使用する
  • 痛みのない範囲で足首・足趾を動かす、足底の筋肉のマッサージを行う
  • 体幹・股関節など患部外トレーニングを行う

注意点

  • しびれが強くなる運動は避ける
  • 足趾の付け根を強く押しすぎない
  • 痛みを我慢して走らない
  • 裸足で硬い床を長く歩きすぎない

あきと
しびれを我慢して運動を続けるのはおすすめしません。神経症状がある場合は、早めに負荷を落として確認しましょう。

中期:足部アーチと足首の安定性を改善する時期

目的:前足部の疼痛部位への負担を分散し、神経が圧迫されにくい足部環境を作る→ジョギングでもその機能を発揮する

実施内容

  • 青竹踏みなどの足底のマッサージ
  • ショートフットエクササイズなどのアーチサポートをする筋肉のエクササイズ
  • カーフレイズなど、母趾球荷重で足首を安定させるエクササイズ
  • スクワット、片足スクワットなどで安定するエクササイズ
  • ケンケンなどの動作でも足首を安定させるエクササイズ
  • 体幹・股関節など患部外トレーニングも並行してを行う

注意点

  • しびれが強くなる運動は避ける

あきと
モートン病では「前足部に乗せない」のではなく、「前足部の痛みの出ている部位に偏って乗りすぎない」ことが大切です。荷重を母趾球に分散できる足を作りましょう!

後期:歩行・ランニング動作を改善する時期

目的:走る、アジリティなどのときに疼痛部位へ過剰なストレスが集中しないようにすること

実施内容

  • マッサージ、エクササイズは継続
  • ランニングスピードを段階的に上げる
  • スプリント、ステップワーク、ジャンプを段階的に行う
  • アジリティトレーニングを開始する
  • 踏み込み、切り返し、つま先立ち動作を確認する

注意点

  • しびれや痛みが強くなる運動は避ける

あきと
足だけを鍛えても、体幹や股関節が不安定だと前足部に負担が集中することがあります。足部・股関節・体幹をセットで考えましょう!

復帰期:スポーツ動作へ戻す時期

目的:競技動作で痛みやしびれを再発させないこと

実施内容

  • 練習への部分参加から開始する
  • ランニング量、スピード、ジャンプ量を段階的に増やす
  • 競技特有の踏み込み、切り返し、ダッシュを段階的に戻す
  • 練習後・翌日の痛み、しびれを確認する
  • 復帰後も足部・足首・体幹トレーニングを継続する

注意点

  • 練習中に痛み・しびれが出る場合は負荷を下げる
  • 練習後や翌日に症状が悪化する場合は戻しすぎ
  • 急にスパイクや硬いシューズへ戻さない

あきと
スポーツ復帰は「何週間経ったか」ではなく、「痛み・しびれ・動作・翌日反応」で判断しましょう!

モートン病のスポーツ復帰の目安

モートン病の復帰は、期間だけで判断するのではなく、症状と動作の状態を確認しながら進めます。

日常生活復帰の目安
  • 歩行時の痛みがない
  • 靴を履いても痛みやしびれが強くならない
  • 階段昇降で症状が出ない
  • 翌日に症状が悪化しない
ジョギング再開の目安
  • 30分程度の歩行で痛み・しびれがない
  • 片脚カーフレイズで症状が出ない
  • 軽いジャンプ・ケンケンで症状が出ない
  • 翌日の朝に症状が悪化しない
競技復帰の目安
  • ダッシュで痛みやしびれが出ない
  • ジャンプ・着地で症状が出ない
  • 切り返しで前足部の痛みが出ない
  • 競技用シューズで症状が出ない
  • 練習後・翌日に症状が悪化しない

モートン病は、靴やインソールの影響を受けやすい疾患です。競技復帰前には、普段靴だけでなく、競技用シューズでも症状が出ないか確認しましょう。

モートン病の赤旗サイン

以下の症状がある場合は、モートン病だけでなく別の疾患が隠れている可能性もあります。

早めに受診したい症状
  • 強い腫れがある
  • 外傷後から急に歩けない
  • しびれが強くなっている
  • 足趾に力が入りにくい
  • 足趾の色が悪い
  • 夜間痛がある
  • 安静時にも強い痛みがある
  • 発熱を伴う
  • 糖尿病など神経障害のリスクがある

あきと
しびれや脱力が進行している場合は注意が必要です。足の症状だからと軽く考えず、早めに専門の先生に相談しましょう。

よくある質問

モートン病は自然に治りますか?

症状が軽い場合は、靴の見直し、運動量の調整、インソール、リハビリなどで改善を目指せることがあります。ただし、しびれが続く場合や歩行時痛がある場合は、自己判断せずに医療機関で確認することをおすすめします。

モートン病でランニングはしてもいいですか?

痛みやしびれが出る状態でランニングを続けることはおすすめしません。まずは症状が出ない範囲まで負荷を下げ、歩行、ジョギング、ランニングの順に段階的に戻しましょう。

モートン病にインソールは効果がありますか?

前足部への圧迫を減らしたり、横アーチをサポートしたりする目的でインソールが使われることがあります。ただし、合わないインソールは別の部位に負担を移すこともあるため、可能であれば専門家に相談しながら調整しましょう。

モートン病と中足骨疲労骨折は違いますか?

違います。モートン病は神経の圧迫・刺激による痛みやしびれが中心です。一方、中足骨疲労骨折は骨の微細な損傷です。どちらも前足部に痛みが出るため、画像検査を含めて確認することが大切です。

モートン病は手術が必要ですか?

多くの場合、まずは保存療法が検討されます。保存療法や注射療法で改善しない場合、症状が強く生活や競技に大きな支障がある場合には、手術療法が検討されることがあります[5]。

まとめ

今回は、モートン病の原因・症状・検査・治療・リハビリ・スポーツ復帰の考え方について解説しました。

モートン病は、足趾へ向かう神経が中足骨の間で圧迫・刺激され、足の指の付け根の痛みや足の裏のしびれを起こす状態です。

リハビリでは、痛みのある場所だけでなく、靴、インソール、横アーチ、足首の安定性、体幹・股関節の安定性まで含めて考えることが大切です。

足のしびれが続く場合、歩くだけで痛い場合、運動後に症状が悪化する場合は、自己判断で競技を続けず、早めに専門の先生に相談しましょう。

あきと
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参考文献

[1]Mak MS et al. Morton's neuroma: review of anatomy, pathomechanism, and imaging. Clin Radiol. 2021;76(4):235-246. PubMed ID: 33168237

[2]Bignotti B et al. Ultrasound versus magnetic resonance imaging for Morton neuroma: systematic review and meta-analysis. Eur Radiol. 2015;25(8):2254-2262. PubMed ID: 25809742

[3]Pitcher M et al. Diagnostic Accuracy of Subjective Features and Physical Examination Tests for Morton Neuroma: A Systematic Review. Foot Ankle Orthop. 2024;9(4):24730114241292388. PubMed ID: 39564390

[4]Thomson L et al. Non-surgical treatments for Morton's neuroma: A systematic review. Foot Ankle Surg. 2020;26(7):736-743. PubMed ID: 31718949

[5]Valisena S et al. Treatment of Morton's neuroma: A systematic review. Foot Ankle Surg. 2018;24(4):271-281. PubMed ID: 29409240

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