中足骨疲労骨折(第2〜4)の症状・治療・リハビリ|足の甲の痛みの原因と復帰の目安

今回は中足骨疲労骨折(第2〜4)の対処法について解説します。

第2〜4中足骨疲労骨折は、ランナーやジャンプ動作の多いスポーツ選手に起こりやすく、走ったときの足の甲の痛みが特徴的です。

第2〜4中足骨の骨幹部に起こる疲労骨折は比較的治癒しやすいとされていますが、再発を防ぐためには、骨の回復だけでなく、足部のアーチ機能やランニング動作の改善も大切です。

一方で、第2中足骨の基部に起こる疲労骨折は治りにくいタイプに分類されるため、痛みの場所や画像検査の結果をもとに、専門医と治療方針を確認することが重要です[1]。

この記事でわかること
  • 第2〜4中足骨疲労骨折とは何か
  • 足の甲の痛みで注意したい症状
  • 病院で行う検査
  • リハビリの進め方
  • スポーツ復帰時の注意点

足首・足部の痛み全体について知りたい方は、足部・足関節の痛みの記事もあわせて確認してみてください。

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中足骨疲労骨折とは?

中足骨疲労骨折とは、足の甲にある中足骨に、繰り返しの負荷が加わることで疲労骨折を起こしている状態をさします。

中足骨と疲労骨折について、順番に説明します。

中足骨とは

中足骨は、足の甲の部分にある細長い骨です。

5本ある足の趾につながっているため、中足骨も5本あります。

親指側から、第1中足骨、第2中足骨、第3中足骨、第4中足骨、第5中足骨と呼びます(図1)。

第2〜4中足骨疲労骨折の説明図
図1:中足骨のイメージ図。親指側が第1中足骨で、第2〜5中足骨が並んでいます。

疲労骨折とは

疲労骨折とは、小さな外力が骨の同じ部位に繰り返し加わることで生じる骨折です。

疲労骨折には、骨の中の炎症、骨のひび、完全骨折など、さまざまな状態が含まれます。

ランナーの足と中足骨疲労骨折のイメージ

疲労骨折は、スポーツ傷害全体のうち0.7〜20%程度を占めると報告されています[1]。

特にランナーでは、ケガのうち約16%が疲労骨折とされており、比較的よくみられるスポーツ障害のひとつです[2]。

あきと
疲労骨折は下肢に多く、脛骨、足舟状骨、中足骨などで多く報告されています[1]。足の甲の痛みが続く場合は、単なる疲労や筋肉痛と決めつけず、早めに確認することが大切です。

中足骨の疲労骨折は、第1中足骨から第5中足骨まですべての骨で起こります。

ただし、第1中足骨は太いため頻度は比較的少なく、第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)は難治性で手術が検討されることも多いため、別に扱われることが多いです。

本記事では、発生頻度が高く、まとめて説明されることが多い第2〜4中足骨疲労骨折について解説します。

第2〜4中足骨疲労骨折

第2〜4中足骨疲労骨折とは、その名の通り、第2中足骨、第3中足骨、第4中足骨に起こる疲労骨折です。

ランニングなどで足の甲の痛みを自覚し、進行すると歩行時にも痛みを感じることがあります。

特に、朝の歩き始めに痛みを訴えることもあります。

第2〜4中足骨の骨幹部の疲労骨折は、比較的治癒しやすい低リスクの疲労骨折とされています。

一方で、第2中足骨の基部の疲労骨折は高リスクの疲労骨折に分類され、治りにくい場合があるため注意が必要です[1]。

疲労骨折とレントゲン・MRI画像

疲労骨折の初期は、レントゲンに写らないことがあります。そのため、初期の確認にはMRI検査が有用とされています[1]。

第4中足骨疲労骨折のレントゲン画像

図2:第4中足骨疲労骨折のレントゲン画像。Aでは明らかな異常がわかりにくく、B・Cで骨折線や仮骨形成が確認できます。

第4中足骨疲労骨折のMRI画像

図3:同じ選手のMRI画像。中足骨内に高信号領域や骨折線が確認できます。

中足骨疲労骨折を起こしやすいシーン

第2中足骨、第3中足骨は荷重がかかりやすく、ランナーなど走ることが多い競技選手に多く発生します。

また、バレエのようにつま先立ちを繰り返すスポーツでも起こることがあります。

第2中足骨に負担がかかるイメージ
図4:第2中足骨に負担がかかるイメージ図。第2中足骨が長い場合、歩行やランニングの蹴り出しで負担がかかりやすくなります。

中足骨疲労骨折のよくある症状

  • 歩くと足の甲が痛い
  • 中足骨を押すと痛い
  • 朝の歩き始めに痛みがある
  • 走ると痛い
  • ジャンプすると痛い
  • 足の甲に腫れがある

骨を押したときの痛みや、走ったときの足の甲の痛みが特徴的です。

なお、足の疲労骨折にはさまざまな種類があり、第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)足舟状骨疲労骨折のように、治癒に時間がかかりやすいタイプもあります。

痛みを我慢して走り続けると、疲労骨折が進行する可能性があります。歩行時にも痛みがある場合、足の甲の腫れが強い場合、押した痛みが日に日に強くなる場合は、早めに整形外科で相談しましょう。

第2〜4中足骨疲労骨折の圧痛部位
図5:第2〜4中足骨疲労骨折の圧痛部位。足の甲を押したときの痛みが確認されやすいです。

病院で行う検査

病院では、症状や痛みの部位を確認したうえで、レントゲン検査、MRI検査、CT検査、エコー検査などを行うことがあります。

レントゲン検査では、骨折線や仮骨(骨が治ろうとする反応)の有無を確認します。

ただし、疲労骨折の初期ではレントゲンで確認できないこともあります。その場合、MRI検査で骨の中の炎症や骨折線を確認することがあります。

CT検査では、骨折線の形や骨癒合の状態をより詳しく確認できます。

エコー検査では、骨の表面の状態や圧痛部位を確認できるため、スクリーニングとして行われることもあります。

第2中足骨疲労骨折のMRI画像
図6:第2中足骨疲労骨折のMRI画像。

一般的には、問診、触診、骨に負担をかけたときの痛み、叩打痛、荷重時痛などを確認します。

中足骨疲労骨折と診断されたら

第2〜4中足骨の骨幹部疲労骨折では、基本的には保存療法で治療を進めることが多いです。

一方で、第2中足骨基部の疲労骨折は難治性となる場合があるため、専門医と治療方針をよく相談しましょう。

治療では、骨の癒合を確認しながら、段階的にリハビリを進めていくことが重要です。

第2〜4中足骨疲労骨折のリハビリテーション

リハビリのポイントは、「骨の癒合」「足アーチの安定」「足首の柔軟性・固定力の改善」です。

特に第2・第3中足骨では、横アーチの安定が大切になります。

リハビリの期間はあくまで目安です。骨癒合の状態、圧痛、歩行時痛、医師の指示を確認しながら進めましょう。

具体的なリハビリメニューは、以下の記事でも紹介しています。

リハビリを進めるためのチェックポイント
  • 中足骨を押した痛みが悪化していない
  • 歩行時痛が悪化していない
  • リハビリ後や翌朝に痛みが増えていない
  • 医師から荷重やランニングの許可が出ている

安静時期(骨の癒合を待つ時期)

歩行時痛がある時期、または医師から安静を指示されている時期
  • 歩き過ぎを避ける
  • 必要に応じて免荷や固定を行う
  • 足底・足首周囲をほぐし、足部の動きを整える
  • 荷重をかけない足首・足趾の筋トレを行う
  • 体幹と殿部の筋力を維持する

あきと
まずは骨の癒合が最優先です。LIPUSや体外衝撃波治療などが選択肢になることもありますが、適応は医療機関で確認しましょう。

リハビリ前期(荷重開始時期)

体重をかける許可が出た時期
  • 足底・足首周囲のほぐしを継続する
  • 足裏全体を接地したスクワット系の筋トレから開始する
  • 痛みがなければ、段階的にカーフレイズを行う
  • 体幹と殿部の筋力トレーニングを継続する

あきと
荷重トレーニングを行った後は、中足骨を押した痛みが悪化していないかを必ず確認しましょう。

リハビリ中期(ジョギング開始時期)

ジョギングの許可が出た時期
  • ホップなどのジャンプエクササイズを開始する
  • ジョギングを開始する
  • 少しずつ直線のランニングスピードを上げる
  • 痛みや圧痛が出ない範囲で負荷を調整する

ジョギングを開始する前に、以下を目安に確認しましょう。

  • 下腿前傾角度に左右差がない
  • 片足カーフレイズが30回できる
  • ケンケンの着地で踵が安定している

あきと
ケンケンでも安定できれば、ジョギング中の中足骨への負担を減らしやすくなります。

リハビリ後期(スポーツ動作導入時期)

ステップワーク、ジャンプ、リアクション動作を開始する時期
  • スプリントを段階的に開始する
  • ステップワークを開始する
  • ジャンプ動作を開始する
  • リアクションドリルや対人動作を段階的に行う

あきと
動いた後に中足骨を押した痛みが出ていないかを確認しましょう。

復帰期

競技復帰の許可が出た時期
  • 1〜2週間かけて段階的に練習へ参加する
  • 走行距離、スプリント量、ジャンプ量を急に増やさない
  • 練習後と翌朝の圧痛を確認する

あきと
復帰期も、押した痛みのチェックは大切です。少しでも違和感や痛みが強くなる場合は、無理に進めないようにしましょう。

中足骨疲労骨折とインソール

中足骨疲労骨折とインソール

インソールも重要です。

足のブレを防ぐために、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチにフィットするものを使用しましょう。

第2〜4中足骨疲労骨折では、特に横アーチのサポートがポイントになる場合があります。

中足骨疲労骨折とインソールのイメージ

よくある質問

中足骨疲労骨折はレントゲンでわかりますか?

初期の疲労骨折は、レントゲンでわからないことがあります。痛みが続く場合や、押した痛みがはっきりしている場合は、MRI検査やCT検査を検討することがあります。

痛みが少しなら走ってもよいですか?

疲労骨折では、痛みを我慢して走ることで骨折が進行する可能性があります。走ると痛い、翌朝に痛みが強くなる、押した痛みが悪化する場合は、ランニングを控えて医療機関で相談しましょう。

どのくらいでスポーツ復帰できますか?

骨折の部位や重症度、骨癒合の状態によって異なります。第2〜4中足骨骨幹部では比較的順調に回復することもありますが、第2中足骨基部では時間がかかる場合があります。復帰時期は、画像所見、圧痛、歩行時痛、ジャンプ動作などを確認しながら判断しましょう。

まとめ

ここまで、第2〜4中足骨疲労骨折の方針やリハビリテーションについて解説しました。

第2〜4中足骨の骨幹部疲労骨折は比較的回復しやすい一方で、再発予防には足部のアーチ機能や着地動作の改善が大切です。

また、第2中足骨基部の疲労骨折は治りにくい場合があるため、痛みの部位や画像検査の結果をもとに、専門医と治療方針を確認しましょう。

あきと
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参考文献

[1]Fredericson M et al. Stress fractures in athletes. Top Magn Reson Imaging. 2006;17(5):309-325. PubMed ID: 17414993

[2]Kahanov L et al. Diagnosis, treatment, and rehabilitation of stress fractures in the lower extremity in runners. Open Access J Sports Med. 2015;6:87-95. PubMed ID: 25848327

[3]Chen YT et al. Update on stress fractures in female athletes: epidemiology, treatment, and prevention. Curr Rev Musculoskelet Med. 2013;6(2):173-181. PubMed ID: 23536179

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