
今回はJones骨折(ジョーンズ骨折)について、症状、受診の目安、検査、治療、リハビリテーション、スポーツ復帰の考え方を解説します。
Jones骨折では、足の外側に痛みが出ることが多く、サッカーやバスケットボールなど、スプリントや切り返し、ジャンプをくり返すスポーツで問題になることがあります。
痛みが軽い段階ではプレーできることもありますが、負荷を続けることで骨折が進行したり、治癒に時間がかかったりすることがあります。
この記事では、Jones骨折をしたときに「いつ受診するか」「どのような治療を行うか」「どのようにスポーツへ戻るか」を、スポーツリハビリの視点から整理していきます。
- Jones骨折とはどのような骨折か
- 足の外側に出やすい症状と受診の目安
- 保存療法と手術療法の考え方
- リハビリを段階的に進めるポイント
- スポーツ復帰で確認したいこと
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Jones骨折とは?
Jones骨折は、足の甲の外側にある第5中足骨の近位部に生じる骨折です(図1)。

第5中足骨近位部の骨折はいくつかのタイプに分けられ、一般的な分類ではZone 2に生じる骨折をJones骨折、さらに骨幹部側のZone 3に生じるものを疲労骨折として区別します(図2)。ただし、現在はZone2とZones3を合わせて「Jones骨折」と呼ばれるようになっています。

サッカーやバスケットボール、ラグビーなどでは、ランニング、切り返し、ジャンプなどによる負荷が第5中足骨にくり返し加わることで骨ストレスが蓄積することがあります。
発症には競技特性やトレーニング負荷だけでなく、足部の形態や動き、シューズなど複数の要因が関係すると考えられています。そのため、「足の外側に体重が乗ることだけ」が原因とは限りません[2]。
Jones骨折やその周辺の疲労骨折は、骨癒合が遅れたり再骨折したりすることがあるため、スポーツ選手では治療方針と復帰までの負荷管理が重要になります[1]。
主な症状と受診の目安
Jones骨折では、足の外側から第5中足骨付近の痛みが主な症状です。
疲労が蓄積して起こる場合は、最初は練習後だけ痛み、徐々にランニングや切り返しでも痛くなることがあります。一方、踏み込みや方向転換をきっかけに急に強い痛みが出ることもあります。
- 足の外側を押すと限局した痛みがある
- ランニング、切り返し、ジャンプで足の外側が痛い
- 練習後も痛みが続く、または徐々に強くなっている
- 歩行でも痛みが出る
- 急に強い痛みが出て、体重をかけることが難しい
症状だけで「ヒビなのか」「完全骨折なのか」を判断することはできません。特に、スポーツ中の足の外側の痛みが続いている場合は、痛みを我慢してプレーを続けず、一度医療機関で確認することを検討してください。
病院で行う検査
診察では、痛みが出始めた経過やスポーツ活動について確認し、第5中足骨周囲の圧痛、腫れ、歩行や荷重時の症状などを評価します。
レントゲン検査では、骨折線や骨の変化を確認します。ただし、疲労骨折の初期ではレントゲンで変化を確認しにくいことがあります。
レントゲンで明らかな骨折が確認できなくても疲労骨折が疑われる場合には、MRI検査で骨のストレス反応を詳しく確認することがあります。また、骨折線や骨癒合の状態を詳しく評価するためにCT検査が用いられることもあります。

Jones骨折の治療
Jones骨折の治療では、保存療法と手術療法が検討されます。
どちらを選ぶかは、骨折している位置や骨折線の状態、発症からの経過、骨癒合の状態、競技レベル、復帰目標などによって異なります[1]。
保存療法と手術療法の考え方
保存療法では、競技活動を制限し、必要に応じて固定や免荷を行いながら骨癒合を目指します。どの程度体重をかけてよいかは骨折の状態によって異なるため、医師の指示に合わせて調整します。
手術療法では、髄内スクリューなどによって骨折部を固定する方法が選択されることがあります。特に競技スポーツ選手では、骨癒合やスポーツ復帰を考慮して手術が検討されるケースがあります。
アスリートを対象としたSystematic Review・Meta-analysisでは、手術療法は保存療法と比較して高い骨癒合率やスポーツ復帰率、短い復帰期間と関連したことが報告されています[3]。また、急性Jones骨折を対象とした研究でも、スクリュー固定群ではギプス固定群より骨癒合とスポーツ復帰までの期間が短かったと報告されています[4]。
ただし、Jones骨折だから必ず手術を行うわけではありません。治療によるメリットだけでなく、手術に伴う合併症や再骨折の可能性も含め、担当医と相談して治療方針を決めることが大切です。
治療方針を決めるときに確認したいこと
- 骨折の位置と画像所見
- 急性骨折か、くり返し負荷による骨ストレス障害か
- 骨癒合の状態や過去の骨折歴
- 競技レベルと復帰目標
- 保存療法・手術療法それぞれのメリットと注意点
疲労骨折をくり返している場合や骨の健康状態が気になる場合には、栄養状態や骨代謝について確認することもあります。第5中足骨疲労骨折では、血中25-ヒドロキシビタミンD濃度との関連を報告した研究があります[5]。
ビタミンDは骨の健康に関わる栄養素ですが、自己判断で大量のサプリメントを摂取する必要はありません。必要に応じて血液検査を行い、食事や栄養補給について医師や管理栄養士へ相談しましょう。

Jones骨折のリハビリテーション
Jones骨折のリハビリでは、単純に「何週間たったか」だけで次の段階へ進むのではなく、骨癒合の状態、圧痛、荷重時の症状、運動後の反応を確認しながら負荷を上げていくことが重要です。
手術後は術式や固定性によって荷重開始時期が異なるため、執刀医・主治医のプロトコルを優先してください。保存療法でも、医師から許可された範囲で段階的に進めます。
患部保護から荷重・筋力回復まで
初期は骨折部への負担を抑えながら、活動量の低下による機能低下をできるだけ防ぎます。荷重が制限されている時期でも、許可されている範囲で足関節や足趾の運動、股関節・体幹のトレーニングなどを行います。
荷重が許可されたら、歩行から始め、スクワットやカーフレイズなどへ段階的に進めます。足部だけを見るのではなく、下腿、股関節、体幹を含めて下肢全体の筋力を回復させていきます。
- 第5中足骨部の圧痛が悪化していない
- 歩行やトレーニング中の痛みが増えていない
- 運動後や当日夜に症状が強くなっていない
- 翌日に痛みや圧痛が戻っていない
- 画像所見を含め、主治医から次の段階への許可が得られている
ランニングから競技動作まで
歩行や筋力トレーニングで症状が安定してきたら、ジョギング、ランニング、スプリント、ジャンプ、切り返しへと競技負荷を段階的に高めます。
ジョギング開始の判断では、歩行で痛みがないことに加えて、第5中足骨部の圧痛、片脚カーフレイズや軽いホップでの症状、画像所見などを確認します。実際の開始時期は治療方法によって異なるため、主治医やリハビリ担当者と確認してください。
競技動作へ戻す流れの例
- ジョギングから直線ランニングへ進む
- ランニングスピードを段階的に上げる
- ジャンプ・着地動作を加える
- 切り返しやアジリティ動作へ進む
- スパイクなど実際の競技シューズで状態を確認する
第5中足骨への負荷には足部の形態や動きも関係しますが、すべての選手に同じ足部の使い方を指導すればよいわけではありません。必要に応じて足部アライメント、足底圧、ランニングや切り返し動作、シューズとの相性などを個別に評価します[2]。
スポーツ復帰で確認したいポイント
Jones骨折では、痛みがなくなったことだけでスポーツ復帰を判断しません。骨の状態と機能、競技動作への耐性を確認しながら段階的に練習へ戻します。
- 画像を含めた骨癒合の状態を主治医が確認している
- 第5中足骨部の圧痛や日常生活での痛みがない
- 片脚カーフレイズやホップなどで症状が出ない
- ランニング、ジャンプ、切り返しなどの競技動作を段階的に行える
- 練習後や翌日に痛み・圧痛が戻らない
競技復帰では、部分的な練習参加から通常練習、試合へと徐々に負荷を戻します。復帰時期には個人差があり、治療方法、骨折の状態、競技種目によっても異なります[3]。
再発予防では、トレーニング量を急激に増やさないことに加え、必要に応じて足部の動き、シューズ、足底圧、栄養状態などを確認します。足部の特徴によってはインソールを検討することもありますが、すべてのJones骨折に必要なわけではありません。使用する場合は、足の状態や競技動作を評価したうえで専門家に相談するとよいでしょう。
よくある質問
Jones骨折は必ず手術が必要ですか?
必ず手術が必要なわけではありません。骨折の位置や状態、競技レベル、復帰目標などによって保存療法と手術療法を検討します。特に競技スポーツ選手では手術が選択されることも多いため、専門医と治療方針を相談しましょう。
スポーツ復帰までどれくらいかかりますか?
治療方法や骨癒合の進み方によって異なるため、一律には決められません。数か月で復帰を目指すケースもありますが、期間だけではなく、画像所見、圧痛、筋力、ランニングや切り返しへの耐性を確認して復帰を判断します。
まとめ
- Jones骨折では、第5中足骨近位部に痛みが出て、ランニングや切り返しで症状が強くなることがあります。
- 足の外側の痛みが続く場合は、プレーを続けて様子を見るのではなく、早めに画像検査を含めた評価を受けることが大切です。
- 治療は骨折の状態や競技レベルに応じて、保存療法または手術療法を検討します。
- 復帰は期間だけで決めず、骨の状態、圧痛、筋力、競技動作、運動後・翌日の反応を確認しながら段階的に進めましょう。
参考文献
[1]Chloros GD et al. Fifth metatarsal fractures: an update on management, complications, and outcomes. EFORT Open Rev. 2022;7(1):13-25. PubMed ID: 35073515
[2]Sun J et al. Risk factors of metatarsal stress fracture associated with repetitive sports activities: a systematic review. Front Bioeng Biotechnol. 2024;12:1435807. PubMed ID: 39175621
[3]Attia AK et al. Return to Play and Fracture Union After the Surgical Management of Jones Fractures in Athletes: A Systematic Review and Meta-analysis. Am J Sports Med. 2021;49(12):3422-3436. PubMed ID: 33740393
[4]Mologne TS et al. Early screw fixation versus casting in the treatment of acute Jones fractures. Am J Sports Med. 2005;33(7):970-975. PubMed ID: 15888715
[5]Shimasaki Y et al. Evaluating the Risk of a Fifth Metatarsal Stress Fracture by Measuring the Serum 25-Hydroxyvitamin D Levels. Foot Ankle Int. 2016;37(3):307-311. PubMed ID: 26596794


