リトルリーガーズショルダーとは?原因・症状・治療・リハビリまで徹底解説

今回はリトルリーガーズショルダー上腕骨近位骨端線離開)について、症状・検査・治療・リハビリの流れをわかりやすく解説していきます。

小学生〜中学生の野球選手では肘のケガが注目されやすいですが、肩にも成長期特有の障害があります。

リトルリーガーズショルダーは、成長期の投球選手に起こる代表的なオーバーユース障害のひとつで、繰り返しの投球ストレスによって上腕骨近位の骨端線に負担がかかることで生じます[1]。

投球が原因で生じる肩の痛みについてより広く知りたい方は、投球障害肩の記事も参考にしてみてください。

この記事でわかること
✅ リトルリーガーズショルダーとは何か
✅ 起こりやすい場面とよくある症状
✅ 病院で行う検査
✅ リハビリの流れ
✅ スポーツ復帰の目安

 

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リトルリーガーズショルダーとは?

リトルリーガーズショルダー(Little Leaguer's shoulder:LLS)は、成長期の野球選手に起こる肩の骨端線損傷のひとつです(図1)。

正式には上腕骨近位骨端線離開と呼ばれ、重症度はⅠ〜Ⅲ型に分類されます。

Ⅰ型:骨端線外側の部分的な拡大を認める。Ⅱ型:骨端線全体の拡大を認める。Ⅲ型:骨頭の滑りを認める)

骨端線は成長軟骨とも呼ばれ、骨の成長に大きく関わる組織です。

成長期にはこの部位が比較的弱いため、繰り返しの投球ストレスが加わると離開して痛みが生じます[2]。

 

リトルリーガーズショルダーのレントゲン画像で、患側の上腕骨近位骨端線が健側より拡大している所見
図1:リトルリーガーズショルダーのレントゲン画像。患側の骨端線(白矢印)が健側に比べて開いていることが確認できます。

 

あきと

あきと
多くの場合は適切に休養とリハビリを行えば良好に回復しますが、無理に投げ続けないことが大切です。

 

リトルリーガーズショルダーが起こりやすいシーン

リトルリーガーズショルダーは、成長期の野球選手が投球動作を繰り返すことで起こりやすいと言われています。

特に投球数が多い、痛みを我慢して投げている、休養が少ないといった状況ではリスクが高くなります[3]。

そのため、野球の投球動作で肩を大きく開く場面や、強く投げる場面で痛みが誘発されやすいとされています。

成長期の野球選手が投球している場面

 

リトルリーガーズショルダーのよくある症状

投球動作時に肩の痛みを訴えることが多いです。

また、肩を外旋方向に開く動きや、投球の加速局面で痛みが誘発される場合もあります。

痛みが強い場合は、安静時に肩の周囲が痛いと訴えることもあります。

一方で、成長期の肩の痛みには投球障害肩や、腱板上腕二頭筋長頭腱の問題が含まれることもあるため、痛みが続く場合は自己判断しすぎないことが大切です。

肩の痛み全体を整理したい方は、肩の痛みの原因まとめも参考にしてみてください。

 

あきと

あきと
成長期の肩の痛みが出たら、念のため病院を受診しましょう。

 

早めに受診したいサイン

  • 投げられないほど痛い
  • 安静にしていても痛い、夜も痛い
  • 肩の動きが大きく制限されている
  • 腫れや強い圧痛がある
  • 休んでも痛みが繰り返す

このような場合は、骨端線障害の程度や他の損傷を含めて確認した方がよいため、早めに整形外科で相談しましょう。

 

病院で行う検査

レントゲン検査を行い、肩の骨端線離開の有無を確認します。

また、エコーでも一部の骨端線離開をチェックできることがあります。

症状が強い場合や、他の病変との区別が必要な場合は、MRI検査で炎症の程度や周辺組織の状態を確認することもあります[1]。

画像検査のほかには、問診(痛みが出た状況、投球量、ポジションなど)、触診(痛みのある場所のチェック)、徒手検査(HERT、外旋抵抗時痛など)を行います。

リトルリーガーズショルダーの患側肩のレントゲン画像

 

リトルリーガーズショルダーと診断されたら

基本的には保存療法でリハビリを行います。

Ⅰ型、Ⅱ型では痛みの変化をみながら少しずつリハビリを進めていくことが多いです。

一方で、Ⅲ型では骨頭の滑りが大きくならないか、画像で確認しながら慎重に復帰を目指します。

まず大切なのは、痛みがある間は無理に投げ続けないことです。フォームや可動域、筋力の問題は、痛みを落ち着かせながら段階的に見直していきます。

また、休むだけでなく、投球フォームや投球量の見直しまで行うことが再発予防には重要です。

 

リトルリーガーズショルダーのリハビリテーション

基本的にはこの保存療法でリハビリを行い、症状の改善を目指します。

期間はあくまで目安であり、痛みの程度や画像所見によって進め方は変わります。医師やトレーナーの指示に従いながら進めましょう。

リハビリのポイント!
★炎症期〜リハビリ前期
✅ 患部の痛みを落ち着かせる
✅ 肩の関節の位置を整える
✅ 姿勢を見直す
★リハビリ中期
✅ 肩の可動域を改善する
✅ 肩の腱板筋を鍛える
✅ 軽いスポーツ動作のフォームチェック
★リハビリ後期
✅ スポーツ動作を段階的に再開する
✅ 良い姿勢を保ち、可動域・筋力を継続して整える
炎症期〜リハビリ前期(痛みが強い・力を入れて痛い時期、1〜3週間)
・必要に応じてアイシングを行う
・背中・肩甲骨の柔軟性を改善する(←背中のストレッチなど)
・肩周囲の筋肉は痛みのない範囲で軽くケアする
・姿勢を見直す(←肩甲骨周囲のトレーニング、日常姿勢の確認)
あきと

あきと
力を入れて痛い時期はガマンが必要です。
ただし、痛みの落ち着き方には個人差があるので、期間だけで無理に次の段階へ進めないようにしましょう。

 

リハビリ中期(肩に力を入れても痛くない時期)
・痛みのない範囲で肩のストレッチを行う
・肩の腱板筋の筋トレを行う(←チューブなど)
・スポーツ動作のフォームをチェックする(投球動作はまずシャドーから)
あきと

あきと
腱板筋のトレーニングを開始します。
トレーニング後に痛みが悪化していないかチェックしましょう。

 

リハビリ後期(痛みがなく、リハビリ中期から十分経過した時期)
・肩の筋トレを段階的にレベルアップする(←手を床についた筋トレ、ウエイトトレーニングなど)
・スポーツ活動を徐々に再開する(←フォームに注意)
あきと

あきと
スポーツ活動再開後も肩の痛みをチェックしながら進めましょう。

 

スポーツ復帰の目安

投球復帰は、痛みがないことに加えて、肩の可動域や筋力、投球後の反応を確認しながら進めます。

  • 日常生活で痛みがない
  • 肩に力を入れても痛くない
  • 可動域が十分に戻っている
  • シャドーピッチングや軽い投球で痛みが出ない
  • 投球後に痛みがぶり返さない

実際の復帰では、まず短い距離・弱い強度から始め、問題がなければ距離、強度、回数を少しずつ上げていく流れが安全です。

焦って投球量を戻すと再発しやすいため、段階的な復帰が大切です。

 

痛みが続く場合は早めに整形外科で評価を受け、投球量やフォームも見直しながら段階的に復帰していきましょう。フォームとの関係を詳しく知りたい方は、投球障害肩と投球フォームの記事も参考になります。

 

まとめ

ここまで、リトルリーガーズショルダーの方針やリハビリテーションについて書いてきました。

リトルリーガーズショルダーは、成長期の投球選手にみられる代表的な肩のオーバーユース障害です。

適切に休養とリハビリを行えば多くは良好に回復しますが、無理に投げ続けると長引くことがあります。

痛みが続く場合は早めに整形外科で評価を受け、投球量やフォームも見直しながら段階的に復帰していきましょう。

あきと

あきと
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参考文献

[1]Bednar ED et al. Diagnosis and Management of Little League Shoulder. Curr Rev Musculoskelet Med. 2021;14(4):312-321. PubMed ID: 34377716

[2]Osbahr DC et al. Little league shoulder. Curr Opin Pediatr. 2010;22(1):35-40. PubMed ID: 19926993

[3]Casadei K et al. Proximal Humeral Epiphysiolysis. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing. 2023. PubMed ID: 30485006

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