フライバーグ病とは?足趾の付け根が痛い原因とリハビリの進め方

今回はフライバーグ病(Freiberg病)について解説します。

フライバーグ病では、足趾の付け根、とくに第2趾や第3趾のつけ根付近に痛みが出やすく、歩く・走る・ジャンプすると痛むことがあります。

思春期の女性に多い疾患ですが、成人にもみられます。骨の状態によって治療やスポーツ復帰までの経過が変わるため、痛みが続く場合は早めに状態を確認することが大切です[1][2]。

この記事では、フライバーグ病の症状、検査、治療、リハビリ、スポーツ復帰までの考え方を紹介します。

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フライバーグ病とは?

フライバーグ病は、中足骨の骨頭(足趾の付け根に近い部分)に起こる骨壊死・骨軟骨障害です(図1)。第2中足骨に最も多く、第3中足骨にもみられます[1][2]。

原因が1つに決まっているわけではありません。繰り返す負荷、骨頭への血流、足部の形状やバイオメカニクスなど、複数の要因が関係すると考えられています[1]。

フライバーグ病の痛みが出やすい部位
図1:フライバーグ病では、第2中足骨骨頭や第3中足骨骨頭周囲に痛みが出ることがあります。

 

ランニングやジャンプなど、前足部へ繰り返し負荷がかかるスポーツで症状が出ることがあります。また、第2中足骨の長さや前足部のアライメントなどが、中足骨頭への負荷に関係する可能性も報告されています[1][4]。

フライバーグ病で第2中足骨に負担がかかるイメージ
図2:歩行やランニングの蹴り出しでは前足部へ負荷がかかります。足部の形状や動きによって、第2中足骨頭周囲へ負担が集中することがあります。

 

フライバーグ病は、骨頭の変化によってSmillie分類の5段階に分けられます。病期は治療方針を考えるうえで重要な情報の1つです[1][3]。

Smillie分類 イメージ図 説明
ステージⅠ フライバーグ病 ステージ1 骨頭の軟骨下骨に小さな亀裂が生じる初期段階。
ステージⅡ フライバーグ病 ステージ2 骨頭の一部が沈み込み、関節面の変形が始まる段階。
ステージⅢ フライバーグ病 ステージ3 骨頭の沈み込みや変形がさらに進んだ状態。
ステージⅣ フライバーグ病 ステージ4 関節面の変形や骨片形成が進み、元の形状へ戻すことが難しくなる段階。
ステージⅤ フライバーグ病 ステージ5 骨頭が平坦化し、関節の変形性変化が進んだ状態。

主な症状と受診の目安

  • 第2趾・第3趾の付け根周囲を押すと痛い
  • 歩くときの蹴り出しや、足趾を反らしたときに痛む
  • ランニングやジャンプで痛む
  • 足趾の付け根が腫れる、動かしにくい
  • 症状が進むと日常の歩行でも痛む

フライバーグ病では、中足骨頭周囲の圧痛や、足趾を動かしたときの痛みがみられます。進行すると中足趾節関節(MTP関節)の動きが悪くなり、歩行時にも症状が出ることがあります[2]。

フライバーグ病の痛みが出やすい場所と動作
図3:フライバーグ病では、第2/3中足骨骨頭周囲の圧痛や、足趾を伸展したときの痛みがみられることがあります。

足趾の付け根の痛みが続く、歩いても痛い、腫れがある、スポーツを休んでも改善しないといった場合は、整形外科で相談することを検討してください。

押したときの痛みだけでフライバーグ病と判断することはできません。足の甲や前足部には疲労骨折などでも痛みが出るため、症状が続く場合は画像検査を含めて確認することが大切です。

関連する疾患については、中足骨疲労骨折第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)足舟状骨疲労骨折も参考にしてください。

病院で行う検査

診察では、痛みが出る場所や動作を確認し、中足骨頭周囲の圧痛、腫れ、MTP関節の可動域、荷重したときの症状などを確認します。

画像検査では、まずレントゲン検査で中足骨頭の形状や変形の程度を確認することが一般的です。ただし、発症初期にはレントゲンで明らかな変化がみられないことがあります[2]。

症状からフライバーグ病が疑われてもレントゲンで判断しにくい場合には、MRI検査で骨内部や軟骨周囲の状態を確認します。骨頭の形状や骨片の位置をより詳しく評価する必要がある場合には、CT検査が用いられることもあります[1][2]。

フライバーグ病のレントゲン画像
図4:フライバーグ病のレントゲン画像

フライバーグ病の治療

治療は、症状だけではなく、年齢、活動量、Smillie分類などで確認した骨頭の状態をみながら決めていきます。

早期では保存療法が基本となり、中足骨頭へかかる負荷を減らして症状と病変の進行をコントロールします[1][2]。

保存療法で行われる主な対応
  • ランニングやジャンプなど、症状を悪化させる活動量の調整
  • 必要に応じたブーツや固定による荷重の調整
  • 靴やインソールなどを利用した前足部への負荷軽減
  • 症状に合わせた段階的なリハビリテーション

インソールや靴を使用する目的は、単純に「アーチを高くする」ことではなく、痛みのある中足骨頭へ負荷が集中しにくい環境をつくることです。足の形や痛む場所は人によって異なるため、必要に応じて医師や理学療法士、義肢装具士などと相談しながら調整します。

保存療法を行っても症状が改善しない場合や、骨頭の変形が進んでいる場合には手術療法が検討されます。手術方法は病期や骨・軟骨の状態によって異なるため、画像所見をもとに専門医と相談して決めていきます[1]。

フライバーグ病のリハビリテーション

フライバーグ病のリハビリでは、最初から筋力トレーニングやランニングを進めるのではなく、中足骨頭への負荷を管理しながら、段階的に足の機能を戻していくことが重要です。

進行する速さには個人差があるため、「○週間たったから次へ進む」という期間だけでは判断しません。痛みや腫れ、歩行、足趾の動き、運動後の反応などを確認しながら進めます。

足部アーチと前足部への負荷のイメージ
図5:足部には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチがあります。足部全体の形状や動きは前足部への負荷に関係する可能性がありますが、フライバーグ病の原因をアーチだけで説明することはできません。

具体的なリハビリメニューについては、以下の記事も参考にしてください。

 

患部を保護する段階

歩行や足趾を反らしたときにも痛みがある時期は、中足骨頭へ繰り返し強い負荷を加えないことが優先されます。主治医から荷重や固定について指示がある場合は、その方針を優先してください。

  • 痛みを悪化させるランニングやジャンプを調整する
  • 痛みのない範囲で足関節や足趾の動きを保つ
  • 患部へ負担をかけにくい体幹・股関節周囲のトレーニングを行う

荷重運動を戻す段階

歩行時痛や腫れが落ち着いてきたら、スクワットやカーフレイズなど、体重をかける運動へ段階的に移行します。足部だけでなく、股関節や体幹を含めて下肢全体の機能を戻していきます。

  • 立位でのカーフレイズ
  • スクワットやランジ
  • 片脚立位や片脚スクワット
  • 足部・足関節周囲の筋力トレーニング

ランニング・ジャンプへ進む段階

歩行や基本的な筋力トレーニングで症状が悪化しなくなったら、ジョギング、ランニング、ジャンプなどへ少しずつ負荷を上げます。競技によっては、その後に方向転換やステップ、スプリントなどを加えていきます。

リハビリの負荷を上げるときのチェックポイント
運動中だけではなく、運動後や翌日に痛み・腫れ・圧痛が強くなっていないかも確認しましょう。症状が悪化する場合は、負荷を上げるタイミングが早い可能性があります。

あきと
「その場では痛くなかった」だけで判断せず、運動した後や翌日の状態まで確認しながら負荷を調整することが大切です。

スポーツ復帰の考え方

フライバーグ病では、一定期間休んだから復帰できる、痛みがなくなったからすぐ競技へ戻れるというわけではありません。

スポーツ復帰を考えるときは、病期や画像所見に加えて、次のような状態を確認していきます。

  • 日常生活や歩行で痛み・腫れがない、または十分に落ち着いている
  • 中足骨頭の圧痛やMTP関節の動きが改善している
  • カーフレイズや片脚動作など、基本的な下肢機能が回復している
  • ランニング、ジャンプ、方向転換など競技に必要な動作を段階的に行える
  • 練習後や翌日に症状が悪化しない

復帰までの期間にはかなり個人差があります。2026年に報告された思春期アスリートの症例集積では、手術を行わずにスポーツ復帰を許可された選手の中央値は3.7か月でしたが、実際の期間には大きな幅がありました[5]。

この報告だけから一律の復帰時期を決めることはできません。特に成長期の選手では、自己判断で練習量を一気に戻さず、骨の状態と競技動作への反応を確認しながら段階的に復帰していきましょう。

まとめ

  • フライバーグ病は、第2中足骨を中心とした中足骨頭に起こる骨・骨軟骨の障害です。
  • 足趾の付け根の痛みが続く場合や、歩行時痛・腫れがある場合は、早めに整形外科で状態を確認することが大切です。
  • 治療では中足骨頭への負荷を調整し、リハビリは症状と機能をみながら段階的に進めます。
  • スポーツ復帰は期間だけで決めず、基本動作や競技動作、運動後・翌日の反応まで確認して判断します。

参考文献

[1]Yoshimura I et al. Evidence-Based Treatment Algorithm for Freiberg Disease. Cartilage. 2024;15(1):58-64. PubMed ID: 37815268

[2]Talusan PG et al. Freiberg's infraction: diagnosis and treatment. Foot Ankle Spec. 2014;7(1):52-56. PubMed ID: 24319044

[3]Smillie IS. Treatment of Freiberg's infraction. Proc R Soc Med. 1967;60(1):29-31. PubMed ID: 5335092

[4]Fukagawa R et al. Foot alignment characteristics in patients with Freiberg's disease. J Orthop Sci. 2026;31(1):154-160. PubMed ID: 40603195

[5]Touban BM et al. Provider-Cleared Return-to-Sport After Freiberg Infraction in Adolescent Athletes. J Pediatr Orthop. 2026; online ahead of print. PubMed ID: 42474446

 

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