今回は坐骨神経痛(sciatica)の対処法について書いていきます。
坐骨神経痛は、坐骨神経由来の脚に放散する痛みやしびれが生じている状態をさします。
アスリートもそうですが、一般生活でも生じやすいため悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
姿勢や骨盤の歪みなど原因は様々であるため、リハビリがとても重要になります。
今回はそんな坐骨神経痛についてリハビリのポイントを解説していきたいと思います!
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛は、坐骨神経が炎症を起こしたり、圧迫を受けたりすることで生じる脚の痛みやしびれの症状のことをさします。
主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群が原因となります[1]。
特に一側性の症状が多く、下肢の筋力低下が現れることもあります。
ほとんどは予後良好ですが、最大45%の患者さんが12ヶ月以上の症状を訴えると報告されています[2]。
腰椎椎間板ヘルニア(椎間板が飛び出ている状態)が原因で坐骨神経の症状が出た場合は、腰椎椎間板ヘルニアと診断されますが、その症状を坐骨神経痛と呼んだりします。
坐骨神経痛になりやすいシーン
坐骨神経痛は、長時間座位や、腰部や臀部を使用した激しい運動、重りを持ったウエイトトレーニングなどで生じやすいです。
坐骨神経痛のよくある症状
・長時間の座位での安静時痛
・股関節屈曲+膝関節伸展での症状誘発(SLRテスト陽性)
主な症状は、臀部から大腿後面、下腿にかけての神経痛です(図1)。
病院で行う検査
坐骨神経痛の診断は、診察と画像検査で行います。
MRI検査で腰椎椎間板ヘルニアの状況確認などを行い、X線検査で腰椎の変形の有無なども確認します。
一般的には、問診(痛みの出る状況の確認など)、触診(圧痛部位、tinel徴候のチェック)、スペシャルテスト(SLRテスト)などを行います。
坐骨神経痛の原因がどこの部分なのかを調べる必要があります。
坐骨神経痛と診断されたら
基本的には保存療法で復帰を目指します。
しっかりと専門のドクターに相談しながら治療方針を決めていきましょう。
坐骨神経痛のリハビリテーション
保存療法でのリハビリのポイントを解説していきます!
リハビリのポイントは、「神経痛のコントロール」「股関節・骨盤の歪み・動きの改善」、「体幹の安定性の改善」です!
・痛み・しびれが悪化していないこと!
神経痛はなるべく出さないようがいいため、痛みが出ないような生活を工夫して行いましょう!
・呼吸の練習!(←腹圧など)
・臀部・大腿部・下腿部・足部のストレッチ、マッサージ ※痛みが増悪したらすぐに中止しましょう!
・その他痛みの出ない患部外トレーニング
症状が強い方は悪化する場合もあるため注意が必要です。
・お尻、股関節、太もも、体幹の筋トレ!
・痛みなく患部の筋トレを開始してから1~2週後の徐々にジョギングをスタート!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!
・各種スポーツ動作を開始する!(キック動作などは要注意!)
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)
※ストレッチは継続します。
ストレッチは必ず継続しましょう!
まとめ
坐骨神経痛、適切な診断とリハビリにより改善が期待できる疾患です。
リハビリでは、股関節・体幹周囲ストレッチや筋力強化が重要です。
正しい身体の使い方を覚えないと痛みが再発しやすいケガですので、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!
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参考文献
[1]Raymond Wjg Ostelo. : Physiotherapy management of sciatica. J Physiother. 2020 Apr;66(2):83-88.